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《参考》仲裁手続に関するQ&A-?
Q:国際商事紛争が生じた場合、相手国の法律がよく分からないとか、相手国の法律によるのはイヤだということがあるとすれば、どこの国の法律に従って仲裁手続を進めることになるかということが問題となるのではないか。
A:そのようなこともあり、仲裁手続を管理している各国の商事仲裁機関では、仲裁手続に関する「Model Arbitration Clause」を設けています。
日本とアメリカとの例でいえば、両国の商事仲裁機関において、「Joint Arbitration Agreement」が締結されており、かつ双方の仲裁機関では、「Joint Arbitration Clause」が用意されています。そして、日本とアメリカの企業間で商事紛争が起きると、その事案に応じ、例えば、アメリカで仲裁手続を進めることになれば、日本の仲裁機関がそれに協力をしていくということが行われ、双方の国において仲裁判断の承認と執行が円滑に進められるよう措置されています。

 

《参考》仲裁手続に関するQ&A-?
Q:国交のない国との間で国際商事紛争が生じた場合、仲裁手続はどのように進められることになるのか。
A:協定に仲裁条項を挿入する場合、関係国に仲裁(手続)法が存在し、かつ関係国が仲裁判断の承認と執行に関する条約の締約国であることが条件となります。
このため、国交のない国の当事者との間の商事紛争を仲裁に付託するとしても、裁判管轄の指定などに関し仲裁条項ではカバーできない問題が種々でてきます。
例えば、国際商事紛争が裁判所に持ち込まれ、取引契約の規定を根拠に、「日本の裁判所の専属管轄に服する。」と主張したとしても、相手国の当事者から、国交がないことを理由に、「日本とは、関係がない。」、「日本の仲裁判断を承認することはできない。」などと、逆に主張されることになりかねません。このような事態になることを避けるためには、仲裁条項を挿入する場合に、国交のない国の法律を適用し、かつ、執行ができるような内容のものに、あらかじめ、整備しておくことが必要になります。

 

 

 

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